事例紹介

スピーカーなどの音響機器の開発や超音波の基礎と応用に関する研究で長年培った音響エレクトロニクス技術をバックボーンとして、各種音響システムおよび専門技術に関するコンサルティングを実施します。 主に以下の4つの項目のサービスが提供できます。
  1. 次世代超音波センサー
  2. 新しい超音波検査技術
  3. パラメトリックスピーカー
  4. ITSにおける音響技術

次世代超音波センサー

セルラーポリプロピレンマイクロホン

新圧電フィルムを利用して、超音波の受信に特化したマイクロホンを開発しています。 コンデンサマイクロホンのような振動膜を利用していないことから、振動膜の共振に伴う受信感度の周波数限界を超え、400 kHzという高い周波数の超音波の検出が可能となっています。

感度の周波数特性

 音圧感度の周波数特性

新しい超音波検査技術

手の非接触超音波映像

手の非接触超音波映像

非破壊であり被爆のリスクがないという特長を活かしつつ、空中超音波の苦手とする非接触検査を解決するために、新しい超音波トランスデューサーの開発や、超音波の駆動方式を検討しています。

機械部品や構造物の有害なきず(デント、ニック、スクラッチ、クラック、ボイドなど)を、対象を破壊することなく検出する技術です。 対象内へ超音波を入射して、内部のきずを検出したり、表面近くへ電流や磁束を流して表面のきずを検出する方法があります。配管内部の腐食などの検査も非破壊検査に含まれます。

パラメトリックスピーカー(超指向性スピーカー)

プロトタイプのパラメトリックスピーカシステム

スポットライトのように、特定の限定領域に音響情報を届けることができるスピーカーです。 鋭い指向性に特長のあるパラメトリックスピーカーは、人には聞こえない超音波の非線形現象を利用しています。 スピーチプライバシーを重視するような音環境の創生に役立ちます。

プランニング、音響設計、設計・施工・ディテールなどの提案

超音波の非線形音響現象を利用したパラメトリックスピーカーは、その鋭い指向性に特長があります。 したがって、超指向性スピーカーとも言われます。 従来型のスピーカーの多くは、送りたいオーディオ信号に合わせて振動板を震わせ、その振動が空気中を音波として伝わり、私たちの耳に所望のオーディオ信号を届けるものなのに対し、パラメトリックスピーカーはこれと全く異なる原理でオーディオ信号を届ける新しい音響機器です。 その原理は、オーディオ信号の周波数成分を私たちの耳では聞こえない高い周波数領域に一旦変調(アップコンバート)し、超音波として空中に放射します。 そして、その超音波が空中を伝搬する過程において、高い周波数領域のオーディオ信号が空気の本来もつ非線形性によって復調(ダウンコンバート)され、仮想音源(バーチャルソース)の縦型アレイ分布に基づき、狭いオーディオビームとして耳に届くものです(縦型アレイについては、下記の学術記事「パラメトリックアレイとその特徴(日本音響学会誌)」をご覧ください)。

パラメトリックスピーカーに関する詳しい説明はこちら

音の拡がりの比較
従来型のスピーカー(左)、パラメトリックスピーカー(右) 開口径20cm

【パラメトリックスピーカーに関する学術記事】

  • 鎌倉友男, 酒井新一, 野村英之, “パラメトリックアレイとその特徴, ” 日本音響学会誌, 74, 345-352 (2018).
  • C. Shi, H. Nomura, T. Kamakura, and W-S. Gan, “Spatial aliasing effects in a steerable parametric loudspeaker for stereophonic sound reproduction, ” IEICE., E97-A, 1859-1866 (2014).
  • W-S. Gan, J. Yang, and T. Kamakura, “A review on the parametric acoustic array, ” Appl. Acoust., 73, 1211-1219 (2012).
  • H. Nomura, C. M. Hedberg, and T. Kamakura, “Numerical simulation of parametric sound generation and its application to length-limited sound beam, ” Appl. Acoust., 73, 1231-1238 (2012).
  • T. Kamakura, H. Nomura, M. Akiyama, and C. M. Hedberg, “Parametric sound fields formed by phase-inversion excitation of primary waves, ” acta acustica united with ACUSTICA, 97, 209-218 (2011).
  • 鎌倉友男, 伊藤幹也, 野村英之, “超音波曝露の調査 ― パラメトリックスピーカを話題にして ―, ” 日本音響学会誌, 67, 200-203 (2011).
  • C. M. Hedberg, K. C. E. Haller, and T. Kamakura, “A self-silenced sound beam, ” Acoustical Physics, 56, 637-639 (2010).
  • S. Sakai and T. Kamakura, “Dynamic single sideband modulation for realizing parametric loudspeaker, ” 18th International Symposium on Nonlinear Acoustics, 613-616 (2008).
  • 酒井新一, 鎌倉友男, “超指向性スピーカの技術と応用, ” 日本機械学会誌, 111(5), 64-68 (2008).
  • 鎌倉友男, 酒井新一, “超指向性音響システムの開発 ― 多方面からの検討 ―, ” 電子情報通信学会 Fundamentals Review, 1(3), 163-168(2008).
  • 鎌倉友男, 酒井新一, “パラメトリックスピーカの実用化, ” 日本音響学会誌, 62, 791-797 (2006).
  • T. Kamakura, K. Aoki, and S. Sakai, “A highly directional audio system using a parametric array in air, ” (invited paper) 9th WESPAC in Seoul (2006).
  • T. Kamakura, M. Tani, Y. Kumamoto, and M. A. Breazeale, “Parametric sound radiation from a rectangular aperture source, ” ACUSTICA 80, 332-338 (1994).
  • 青木健一, 鎌倉友男, 熊本芳朗, ” パラメトリックスピーカ ― 応用例 ―, 電子情報通信学会論文誌 A, J76-A, 1127-1135 (1993). English version, K. Aoki, T. Kamakura, and Y. Kumamoto, ” Parametric Loudspeaker ― Applied examples ―, ” Electronics and Communications in Japan, 77 (1), 64-74 (1994).
  • T. Kamakura, K. Aoki, and Y. Kumamoto, ” Suitable modulation of the carrier ultrasound for a parametric loudspeaker, ACUSTICA, 73, 215-217 (1991).
  • 青木健一, 鎌倉友男, 熊本芳朗, ” パラメトリックスピーカ ― 音場特性と最適変調方式 ― ,電子情報通信学会論文誌, J74-A, 332-337(1991). English version, K. Aoki, T. Kamakura, and Y. Kumamoto, ” Parametric Loudspeaker ― Characteristics of acoustic field and suitable modulation of carrier ultrasound, ” Electronics and Communications in Japan 74 (9), 76-82 (1991).
  • Kamakura, N. Hamada, K. Aoki, and Y. Kumamoto, “Nonlinearly generated spectral components in the nearfield of a directive sound source,” J. Acoust. Soc. Am., 85, 2331-2337 (1989).
  • 鎌倉友男, “パラメトリックスピーカ, ” 超音波テクノ, 5月号, 61-66 (1989).
  • T. Kamakura, M. Yoneyama, and K. Ikegaya, “Developments of parametric loudspeaker for practical use, ” 10th Internationa Symposium on Nonlinear Acoustics (Teikohsha, Kadoma), pp.147-150 (1984).

ITSにおける音響技術

冬期のある一日において、タイヤ騒音を周波数分析した結果

ITSとはIntelligent Transport Systemの略で、 高速道路交通システムといわれています。
道路の路面状況は、言うまでもなく天候に左右され、特に冬期においては路面状況は時々刻々変化し、それが車両走行に影響を与えます。
一例として、自動車の走行において発生するタイヤ騒音や路面振動を精度よく計測し、その信号を解析することで夏冬タイヤの自動識別システムを構築しています。すなわち、空中を介して得られる道路騒音信号をマイクロホンで、また路面を伝わる振動は振動ピックアップで精度よく収集し、適切な信号処理を行うことで、路面状況の同定を行うことが可能です。

【ITS分野での音響技術に関する学術記事】

  • 上田浩次, 宮田康史, 神取祐治, 谷嵜徹也, 鎌倉友男, “準ミリ波を利用した路面上の水と氷の判別方法,” 計測自動制御学会誌, 54, 331-339 (2018).
  • 鎌倉友男, 谷嵜徹也, 上田浩次, “冬タイヤ用音響同定システムの開発,” 電子情報通信学会 Fundamentals Review, 9(2), 84-91 (2015).
  • T. Tanizaki, K. Ueda, T. Murabe, H. Nomura, and T. Kamakura, “Identification of winter tires using vibration signals in the road surface,” Appl. Acoust., 83, 116-122 (2014).
  • 谷嵜徹也, 上田浩次, 村部敏彦, 野村英之, 鎌倉友男, “車両走行音を用いた夏冬タイヤの判別,” 電気学会論文誌D, 133, 558-565 (2013).
  • 谷嵜徹也, 村部敏彦, 上田浩次, 鎌倉友男, “冬用タイヤ自動判定装置の開発状況, ” 高速道路と自動車, 55, (12), 28-32 (2012).
  • W. Kongrattanaprasert, H. Nomura, T. Kamakura, and K. Ueda, “Detection of road surface states from tire noise using neural network analysis,” IEEJ Trans. D, 130, 920-925 (2010).
  • W. Kongrattanaprasert, H. Nomura, T. Kamakura, and K. Ueda, “Detection of road surface conditions using tire noise from vehicles,”IEEJ Trans. D, 129, 761-767 (2009).